ここ数年の間に「副業・兼業」を解禁する動きに加え、昨今では大手を中心として「週休3日制度」を採用・検討する企業が増えているようです。
もくじ
週休3日制度へ
最近はテレビニュースや雑誌などでも頻繁に報道されているので、耳にする方も多いのではないでしょうか。
実際には「SOMPOひまわり」「SMBC日興証券」「みずほフィナンシャルグループ」らに加え、「パナソニック」なども今年度中に週休3日制度を導入する方針です。
また政府も働き方改革の一環として、この週休3日制度を後押ししています。
厚生労働省HP「働き方改革の実現に向けて」
かたや、現状の「週休2日制度」は今や当たり前の感がありますが、それまでの祝祭日以外の休日と言えば日曜日のみで、その前日にあたる土曜日は「半ドン」と言って、午前中のみ仕事や学校があるという習慣が日常でした。
一般民間企業に週休2日が導入されはじめたのが1980年頃、官公庁に導入されたのはさらに12年遅れの1992年、そして公立小中学校及び高等学校の多くでは、2002年頃に完全週休2日制となりました。
もちろん業種によっては状況が異なりますので、週休1日のままという企業も少くないでしょう。
因みに「週休2日、完全週休2日制」は法律で定められたものではありません。
増えない給与
さて本題ですが誤解を恐れずに申し上げれば、この「週休2日」「完全週休2日制」となってからのおよそ20数年、企業の給与は「ほとんど増加していない」というのが実情です。
もちろん個別の状況ではベースアップや役職手当などの昇給機会はあると思いますが、日本全体で見た時に企業の給与はほとんど上がっていません。
こと、大学初任給では1990年頃からここまで、額面で約1万円程度しか上がっていないそうで、この間、消費税導入から度重なる増税に加え物価上昇等もかんがみれば、初任給1万円の上昇など、もはや無いに等しいと言っても過言ではないかもしれません。
他方、去る2017年に閣議決定された「働き方改革実行計画」により、いわゆる「テレワーク」や「副業・兼業」などの柔軟な働き方の実現が目標となったのは記憶に新しいところです。
つまり、この20数年〜30年程のスパンで見ると…
休日は増えた
給料は上がらない
副業・兼業が認められる
そしてここに潜む問題が「労働時間」なのです。
週休3日制度で消える残業?
週休3日制度を導入する企業は、多くの場合「休日は増えても給与は維持する」としています。
それは、仮にこれまで「1日8時間労働」だったものが「1日10時間労働」になるという意で、相対的な労働時間は変わらない前提です。
その場合、結果的に残業時間の余白が無くなることを意味します。
これについては、変形労働時間制という兼ね合いもあるのでここのお話はまたの機会に譲りたいと思います。
何れにしましても「基本給は少ないが、日々の残業代(手当て)も含めて月収」という前提で経済設計をされていたサラリーマンの方たちには、手取り額がその分大きく減少する可能性があります。
休日が増え、給与が減らないということは、単純に出勤日毎の労働時間が増えるということになります。
つまりそれは「残業」という概念が無くなる、あるいは極めて少なくなる事をはらんでいるのです。
副業必須の時代へ
その上で、ものすごく端的に申し上げれば「これまで同様、今後も給料は増えない。
むしろ週休3日で残業代は減り、手取りも減る可能性は高い。
」ということになります。
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